26歳娘 母親の携帯電話に「息ができなくて死にそう」
ベトナム中部では、身内が事件に巻き込まれた可能性があるとおよそ30の家族が地元当局に訴え出ていて、このうち複数の家族のもとには、イギリス当局から直接身元の確認のための連絡があったということです。
このうち、26歳の娘が事件に巻き込まれたと訴え出ているハティン省の男性のもとにも連絡があり、娘が犠牲者のなかに含まれている可能性が高いと告げられたことを明らかにしました。
男性によりますと、この女性は日本にある弁当の工場で3年ほど働いたあと、ことし実家に戻ってきたばかりだったということです。 しかし、女性の弟が運転手として働くために購入した車が事故で大破し、家には多額の借金が残されたといいます。
女性は少しでも借金を返済して両親の負担を減らそうと、再び海外で働くことを決めました。
両親は反対しましたが、イギリスでネイリストの仕事が見つかったとして渡航を仲介するブローカーへの支払いを友人から借りるなどして工面し、先月3日、実家を出発しました。
ベトナムを離れた後も女性は毎日のように実家に電話をかけてきて居場所を知らせ、中国とフランスを経由してイギリスに向かうと話していたということです。
先月中旬に一度イギリスへの渡航を試みましたが、イギリス当局に捕まってフランスに送り返され、再び、渡航する計画を立てていたということです。
そして、事件が発覚する直前に、女性は母親の携帯電話に「お母さん、ごめんなさい。私の渡航は失敗です。お父さん、お母さん、心から愛している。息ができなくて死にそう」とメッセージを送ってきました。 その後、女性とは一切連絡が取れなくなったため、地元当局と警察に通報したということです。
男性は「家族思いの娘でした。『地元に残り、結婚すべきだ』と説得しましたが『家族のために行くしかない』と言ってききませんでした。 家族全員がショックを受けています。どのように気持ちを表していいかわかりません」と話していました。
英 コンテナから39人遺体 ベトナム側と身元確認を本格化 2019年11月4日 19時55分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191104/k10012163821000.html より抜粋