精神科医の片田珠美さんは、妻は「アレキシサイミア」ではないかと解説する。
この聞き慣れない「アレキシサイミア」という医学用語は、楽しい時にワーッと喜べなかったり、怒りたいときに怒れなかったり。 想像力が乏しく、自分の感情に気づくことも、表現することも難しい状態を指す。
小番被告の妻の供述を改めて振り返ると、いかに彼女が冷めているかがわかる。まずはプロポーズされたとき。
「当時、猫の里親になりたかったが『結婚しないと里親になれないので猫をもらえない』と、言われた。 考えが甘かったとは思うが、どうせ結婚なんて紙ペラ1枚のことだし、もういいやと思った」
普通の女性なら、彼からプロポーズを受けたら、うれしいとか、この人とどんな家庭を作ろうかとか、あるいは結婚していいのかどうかなど、いろいろな感情が巻き起こることだろう。
そんな人生の岐路に立ったとき、彼女は猫の里親について考えていたのだ。そして実際の結婚生活についての供述でも…。
妻はエリート銀行員の娘で、港区内の名門私立女子高校から法政大へ進学した帰国子女。
帰国子女。 ?????????