いよいよ、自民党が教育現場への介入を本格化させようとしている。今月6日に開かれた自民党文部科学部会は、教員の「政治的中立性」を確保すべく、処分を厳格化する方向で検討を開始。朝日新聞の報道によれば、同部会は〈現状では政治的中立を逸脱しても「処分が重くない」と指摘。教育公務員特例法を改正し、罰則を科すことも検討すべきだとした〉という。
しかも、恐ろしいのは、自民党は今後、〈教員免許を都道府県教委に代わって国が授与・管理する「国家免許化」や、国公私立すべてに共通する教員の理念を規定する立法措置を講じることなども議論〉していくと打ち出したことだ。
免許の授与だけでなく、教員の理念までをも国によって規定・管理する──。これはいわば、政府にとって不都合な考えをもった教員を締め上げ、徹底的に萎縮させようとする現場介入だ。そのことのほうが、よほど「政治的」ではないか。
そもそも自民党は今年、18歳選挙権を解禁した参院選投票日を目前にして、突如、「学校教育における政治的中立性についての実態調査」なるページをHP上で公開。教員の「子供たちを戦場に送るな」という主張を《中立性を逸脱した教育》《偏向した教育》《特定のイデオロギー》などと糾弾した上で、「実態調査」として《政治的中立を逸脱するような不適切な事例を具体的(いつ、どこで、だれが、何を、どのように)に記入してください》と、“密告用”の投稿フォームを設置した。
その後、「子供たちを戦場に送るな」という文言に「戦場に送るなという主張の、どこが偏向なのか?」と批判が殺到し消されたが、それに変わって自民党が差し替えた文章は、「安保関連法は廃止にすべき」というものだった。
つまり、自民党が考えている《中立性を逸脱した教育》というのは、教員が「子供たちを戦場に送るな」「安保関連法は廃止にすべき」と言うことだ。どう考えても「子供たちを戦場に送るな」というのはごく当然の主張としか思えないが、自民党はそれを《特定のイデオロギー》と呼ぶ。これは戦時体制と何ら変わらないものであり、「戦争反対」と口にすることさえ許さない態度を自民党は露わにしてきたということだろう。
全文はソース先にて
http://lite-ra.com/i/2016/12/post-2761-entry.html