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原子力規制委員会が事実上の審査合格を認められている関西電力高 浜原発3、4号機。そばの若狭湾沿岸で14~16世紀に起きた津 波の痕跡とみられる砂層が確認された=2014年11月、福井県 高浜町
原子力規制委員会の審査で、2月に「合格」と認められた関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)そばの若狭湾沿岸で、14~16世紀に起きた津波の痕跡とみられる砂層を福井大学などのチームが21日までに確認した。
津波の規模は不明で関電は「津波評価や対策に影響を与えるものではない」としている。一方、規制委は取材に対し「安全を脅かす方向につながる情報かどうか留意して、結論ありきではなく検討したい」と関電に調査を促す考えを示した。
若狭湾沿岸では、1586年の天正地震に伴う大津波で大きな被害が出たとの説がある。関電も数年前に調査を行い「痕跡はなかった」としたが、今回の発表地点は調査していなかった。
福井大の山本博文教授(地質学)らは、高浜町内の海に流れ込む川沿いの低地を掘削。深さ1 メートルより浅い地中で、貝殻などが混じった厚さ1~20センチの砂層を確認した。砂層は海岸から500メートル以上、内陸側にあった。高浜原発からは南東に6~7キロの地点。
砂層の上下から得た試料の炭素同位体で年代測定し、14~16世紀に起きた津波の痕跡と推定した。海と砂層が見つかった低地との間には高さ10メートル前後の砂丘があるが、山本教授は「砂丘を全面的に乗り越えるほどではなく、川を逆流したのではないか」と話している。
「天正津波」をめぐっては「地震の後、大津波で町が壊滅した」などの史料が残っている。史実 とすれば大津波で、砂層などの痕跡は広範囲で見つかるとみられる。山本教授は「天正津波の可能 性はあるが、根拠が足りない。現状では(天正時代と同じか近い時代に)津波があったとしか言えない」と話した。
高浜原発には1~4号機があり、関電は1、2 号機の再稼働に向けた適合性審査を申請してい る。既に合格した3、4号機については再稼働の手続きを進めているが、福井地裁が4月、再稼働を差し止める仮処分決定を出し、異議申し立ての手続きで決定が覆らない限り、再稼働できない状態になっている。
ソース
http://www.fukuishimbun.co.jp/sp/localnews/npp_restart/73705.html