国際金融市場はこのところ平静を保っているが、アナリストの間では、水面下で進んでいる流動性の縮小が、
米利上げなどのショック要因で信用収縮に発展すれば、市場が混乱に陥りかねないとの懸念が浮上している。
売買スプレッドの拡大など、流動性の低下を示す明確な形跡はみられないが、ドイツ国債市場では3月に、
売買スプレッドが3年ぶりの高水準となる6ベーシスポイント(bp)近くまで一気に拡大する場面があるなど、混乱の芽が見え隠れする。
グレイスパーク・パートナーズの分析によると、米高格付け社債市場では、
2011年以降の平均売買スプレッドが12bp前後と、金融危機前の5年間の平均である7bpを上回っている。
国際資本市場協会(ICMA)のディレクター、アンディ・ヒル氏は「流通市場の流動性が干上がれば、発行市場にも影響が及ぶ。
今は非常にぜい弱な状態だ」と指摘。同氏は、信用収縮が起きれば、低格付け社債、ハイイールド債、
新興国市場が最も大きな影響を受けるとの見方を示した。
ソース
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0NM3LJ20150501