【与那国】与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の賛否を問う住民投票は22日、投開票され、
賛成632票(57・76%)、反対445票(40・67%)で、配備賛成が過半数を上回った。
無効は17票(1・57%)。当日有権者数は1276人で投票率は85・74%だった。
住民投票で配備賛成が多数となったことを受けて、外間守吉町長は配備に向けた陸自沿岸監視部隊の
駐屯地予定地を通る町道の廃止など環境整備を急ぐ構え。
ただ町議会は採決で外間町長を支持しない野党が多数を占め、昨年の議会で町道廃止の議案などを否決している。
住民投票の結果を受けて野党がどう対応するかが注目される。
住民投票で賛成が反対を上回ったものの、反対派の住民らは同部隊の監視レーダーによる電磁波が
人体に与える健康被害の懸念が強いなどとして、工事差し止め訴訟を提起する考えだ。
防衛省は2016年3月末までに配備完了を目指している。
軍事力で台頭する中国の海洋進出を念頭に、国境地域の防衛体制強化を図る計画で、
約150人規模の隊員を配置する予定。駐屯地予定地では現在、造成工事が進んでいる。
与那国町では08年に町議会が誘致賛成署名に基づく要請決議を可決して以来、
自衛隊誘致をめぐって賛成か反対かで住民を二分してきた。
誘致派は2度の町長選で誘致を掲げた外間町長が当選したことから「民意は出た」と主張していたが、
14年9月の町議会選挙(定数6)で野党が1議席伸ばし、与党3、野党3の同数となった。
議長に与党議員が選出され、採決で与党を上回った野党が攻勢を掛け、住民投票関連条例が制定された。
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