昔から人間の良き友として存在している犬たちは、その忠誠心や飼い主と家族への献身など素晴らしい特質を持っている。
もしかすると、人間よりも情に篤いかも知れない犬たちだが、そんな彼らと飼い主とが切っても切れない深い絆で結ばれているという話はよく聞く話だ。
その事を身を持って証明してくれた犬がアメリカにいた。
癌の治療のために病院に2週間入院し手術を受けたNancy Franckさんだが
治療に専念しなければならない彼女には、家族以外にも心掛かりな事があった。
ペットを飼っている方のほとんどがそうだと思うが、家をしばらく空ける時の一番の心配の種となるのが
ペットの事なのではないだろうか。
そんな彼女の気持ちが届いたのかどうかは定かではないが、Nancyさんをママとして慕う飼い犬のSissyは
家からいなくなってしまった入院中のママに会いに行くために大冒険を行う事にしたようだ。
―会いたい一心で決行した大冒険
飼い犬のそんな胸中など全く知らないNancyさんのご主人は、Sissyが冒険へと旅立ったその日
妻の大切にしていた犬が家から突如として消えてしまった事に心を痛めていた。
今まで一度もなかった事だけに、妻の入院中に犬が失踪してしまうというこの事態を、どう妻に説明したものか
きっと重苦しい気持ちでいたに違いない。
しかしながら、そんな悶々とした気持ちを抱えていたであろう彼の元に病院スタッフから電話が掛かってきたが
その内容は実に驚くべきものであった。
と言うのも、一度も病院に連れて行った事のないはずの愛犬Sissyが、その日Nancyさんの入院している病院に現れたと言うのだ。
監視カメラにその姿を捉えられた犬は、スタッフたちによって無事に保護されたが
その首輪に付いていたタグに記された住所を見て、彼らも驚いた。
なんとこの小さな犬は、病院から20ブロックも離れた場所から、2つの自動ドアを難なくクリアして飼い主の入院しているこの病院へ辿り着いたのだ。
Nancyさんとその家族を始め、病院スタッフたちもこの小さな犬が取った心温まる行動に大いに感動したと述べている。