http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NEYKNZ6K50Y001.html
11月13日(ブルームバーグ):今週末に20カ国・地域(G20)首脳会合が開かれる豪ブリスベーン。首脳会合を前にパトロールする多数の警察官を除けばほとんど人けがなくなった。
ブリスベーン中心部でイタリア料理店を営むディミトリ・メラクロイノスさんは店先を見つめ、「この通りはいつもなら混雑しているが、暴動が発生するかもしれないと言われた人々は怖がって出てこない」と語る。
ブリスベーンにはG20諸国の代表団が4000人、報道関係者が3000人来訪するが、その合計を上回る7500人の警察官がオバマ米大統領や習近平中国国家主席ら各国指導者を守るため警備に当たる。首脳が会談する一流ホテルや会議場の周辺は鋼鉄製バリケードで包囲されている。ただ経済界指導者の一部はオーストラリア3位の都市ブリスベーンを紹介するよりも、多数の警官で厳重警備することで住民の脱出を招き、クイーンズランド州の州都をゴーストタウン化させていると指摘している。
クイーンズランド州商工会議所の広報担当、ニック・ベーレンス氏は「多くの地元住民が出て行っている」と述べ、人口約220万人のブリスベーンは世界のメディアに最も静かに紹介されることは「避けられない結論だ」と付け加えた。
G20の警備強化に向けて同州で制定された法律に基づき、サーフボードや卵、ガラス瓶、たこ、動物の糞尿、爬虫類、昆虫などを携帯して規制区域に侵入した人は最高5500豪ドル(約55万円)の罰金が科せられる恐れがある。市内の一部地域では抗議行動の権利が制限されている。
原題:Brisbane Lockdown Sees Exodus as Police Outnumber G-20 Delegates(抜粋)