安倍晋三首相は25日、米ニューヨークのハドソン研究所で講演し、日本の防衛費の伸びが中国の10分の1以下であることを指摘し、「もし私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならどうぞ」と中国をけん制した。
中国大手検索サイト百度の掲示板にこのほど、安倍首相の発言に関するスレッドが立てられ、中国人ネットユーザーから反発の声が多く寄せられた。
中国のネットユーザーらは「中国メディアの宣伝によると、安倍首相は“右翼と呼びたければどうぞご自由に”とだけしか伝えていない。完全に文脈を無視している」、「わがメディアお得意の“一部だけを引用”する方法にしてやられているな」などのコメントが寄せられた。
実際、中国メディアによる報道を見ると、安倍首相が指摘した“中国の防衛費は毎年10%以上の伸び率が20年以上続いている”という部分は省略され、“右翼と呼びたければそう呼べば良い”の部分だけが強調されている。多くの中国人が発言の意図を誤解してしまったと思われる。
スレ主は、安倍首相の発言の前後も紹介しているため、「オレたちは毎年10%以上の伸びなのに、伸び率が0.8%の国を軍国主義と呼ぶのは平等だろうか?」と疑問を呈すユーザーもいた。
中国メディアが自国に都合の悪い部分を伝えないのはいつものことではあるが、安倍首相の今回の発言の意図は、中国メディアによって完全にねじ曲げられてしまっているようだ。