134: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/07/05(日) 02:04:54.141 ID:xYUJsJUJ0.net
「いいか……実はな、部屋の鍵を「破ぁ~~~……!!」
その時、リーダーの話をかき消すようにして、奇妙な掛け声が階段の踊り場に響き渡った!
階段の方を見ると、ホテルの従業員が息も絶え絶えな様子で駆け上がって来ている。
よく見ると、彼はたまたまバイトに来ていた寺生まれで霊感の強いTさんじゃないか!!
「破ぁ……破ぁ……ゲホッゲホッ……お、お客様……破ぁ……わ、忘れものですよ……」
必死に声を絞り出す彼の手元には、「1001」と刻まれた部屋の鍵があった。
「なんてこった、俺達はフロントに鍵をもらうのも忘れてここまで登ってきてたのか!?」
皆の背筋に冷たいものが走る。もしもTさんが命がけでここまで追いかけてきてくれなかったら、
今頃彼らは怪談以上の恐怖を味わっていたことだろう。
若者たちは泣きながらTさんに感謝し、気付いたのがほんの少し前だったので、
慌てて全段休まず駆け上がってきたという、彼の満身創痍の体を介抱した。
「へへ……お前ら……百物語なんかしやがって。 全話終わる前に間に合って良かったぜ……」
「この状態で除霊するのは、きっと骨が折れただろうからな……!」
やっぱり寺生まれってすごい。不敵に笑うTさんを見て、若者たちは改めてそう思った。