ある人、弓いることをならふに、もろ矢をたばさみて的に向かふ。
師の言はく、「初心(しょしん)の人、二つの矢を持つことなかれ。
後(のち)の矢をたのみて、初めの矢に等閑(なほざり)の心あり。
毎度(まいど)ただ得失(とくしつ)なく、この一矢(ひとや)に定(さだ)むべしと思へ」といふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。
懈怠(けだい)の心、みづから知らずといへども、師これを知る。このいましめ、万事(ばんじ)にわたるべし。
ある人、弓いることをならふに、もろ矢をたばさみて的に向かふ。
師の言はく、「初心(しょしん)の人、二つの矢を持つことなかれ。
後(のち)の矢をたのみて、初めの矢に等閑(なほざり)の心あり。
毎度(まいど)ただ得失(とくしつ)なく、この一矢(ひとや)に定(さだ)むべしと思へ」といふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。
懈怠(けだい)の心、みづから知らずといへども、師これを知る。このいましめ、万事(ばんじ)にわたるべし。