明かりを一切消し去った寝室で一組の布団の上に寝そべるAの共襟を、Bはぐっと掴み左右に開こうとした。
薄く汗の浮く胸が襟の間から覗き、さらにそれを暴こうと動く乱暴な腕を、しかしAはやんわりと拒んだ。
「B、今日はちょっと」
「…どうしたんだ?」
常ならばこの状況でAが拒むことはない。普段とは異なるその言動に、Bは訝しげな表情で尋ねた。
「えっとーー」
それを見たAは何かを言いよどんだあと、結局何も言わずに口を噤んでしまう。だが、そのような曖昧な態度をBは許さなかった。
「体調でも優れないのか?」
気遣わしげな色を含ませた聞き方に今度は、えっ、とAが焦ったように声を上げた。
「その、違うんだけど……」
「じゃあどうしてだ」
一頻り遊んだから放り投げるよぉ