ここ最近は仕事を覚えたのか、ひとりでレジをまかされるようになっていた。
「3万円になります」
人懐っこいたれ目を細くしてふんわりと笑顔をつくるおにいさんに、ちょうど3万円のお金を渡す。
─と同時に、他のお客さんが来店したようで自動ドアの開く音がした。
「……お、じさ…ん………な…んで」
いつもならばいらっしゃいませと軽く挨拶をしてすぐにわらしの接客に戻るおにいさんが、驚きを隠せない表情で自動ドアのほうを見つめたままかたまっていた。
「まこちゃ…ま、まことくん…ひ、久しぶりだね…へへ」
スーツに身を包んだ身なりの良さそうなグレーの髪の中年男性に声をかけられると、おにいさんは怯えたようにひっ…と短い悲鳴をあげた。
わらしからお金を受けとったままの手ががくがくと震えはじめ、瞳には恐怖が満ちて今にも泣きだしてしまいそうなほど揺れていた。
男性が一歩ずつゆっくり近づいてくる。
おにいさんは恐怖に耐えかねたようにお漏らしをしてその場に倒れた。興奮した。
~end~
飽きたから終わったよぉ