ふぇぇ張飛さんかわいいよぉ
笑府[編集]
明末期の笑話集『笑府』に、楊貴妃と張飛の登場する笑話がある。
ある男が、野ざらしになっていた骸骨を見つけ、気の毒に思って供養をしてやった。その晩、男の家の戸を叩く者があり、「誰だ」と聞くと「妃(フェイ)です」と答える。さらに訊ねたところ、「私は楊貴妃です。馬嵬で殺されてから葬られることもなく野ざらしになっていたのを、あなたが供養して下さいました。お礼に夜伽をさせて下さい」と答え、その晩、男と夜を共にした。これを聞いて羨んだ隣の男が、野原を探し回ってやはり野ざらしになった骸骨を見つけ、供養したところその晩やはり戸を叩く者があった。「誰だ」と聞くと「飛(フェイ)だ」と答える。「楊貴妃かい」と訊くと「俺は張飛だ」という答え。仰天して「張将軍には何ゆえのお来しで」と訪ねると、張飛曰く「拙者、漢中で殺されてから葬られることもなく野ざらしになっておったのを、貴殿に供養していただいた。お礼に夜伽をさせていただきたい」。これが日本で翻案されたのが、落語『野ざらし』となった。