『シャッターアイランド』
途中でオチがわかってしまった
こうなるとオチが命の作品は弱い
作品に宿る生命力が非常に脆弱である
脆弱さが退屈さに直結し途中何度も観るのをやめようと思った
しかしマーク・ラファロの演技が秀逸なのでそれを頼りに(あるいはそれだけを愉しみに)最後までかろうじて見届けることができた
オチが予想できても描写に隠された意図や演出や暗喩が楽しめるものとそうでないものがある
オチが命の作品はたいてい後者に属する
ホラーもオチやネタが重要だったりするが、あれはネタがバレたとしてもそこに至るまでの恐怖の演出を楽しむものなのでそれほど退屈はしない
ちなみに「オチを話すな」で有名な映画に『シックス・センス』があり
こちらは最後まで面白く観ることができたし心にしみじみ残るものがあった
常人には知ることのできない人々の運命の傷を見せてくれるのが子供の視点からであったこと
それぞれの人々の人生に秘められた悲しみや慈しみの鱗片を作品内に織り込んでいること等々
前述したホラー要素に加えてオチ以上に伝えたい何かが脚本に生命力を与えていたのであろう
要するにストーリーラインにおける意外性の追求よりも
まずヒューマンなプロットがちゃんと功を奏していたからである