THOR:ラブ&サンダー
フェーズ4の映画ことごとくがそうであるように過去の遺産を食いつぶして笑いをとる姑息な手法
前作ラグナロクは監督のアイロニカルな趣味がそれまでの積み重ねとうまく衝突し旨味のあるフレッシュな化学反応を起こしたが
その手法が通用するのはそれまでに「過去の(誠実な、真面目な)積み重ね」があった1回だけ
生真面目をからかってある種の面白みが発生するのはあたりまえだが
からかいにからかいを重ねていってもやりすぎるだけでそれ以上のものは何も生まれない
程度の差こそあれ吉本ギャグとなんら変わらない不毛さ
最後に印象強く残ったのは数あるおふざけ場面ではなくゴアの存在すなわちチャンベールの作品に向き合う生真面目と誠実
そしてそれこそが最大の皮肉