武漢、中国、2月12日(AP)― 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が発生した中国湖北省の武漢市内で、精力的に取材を続けていた中国人ビデオブロガー陳秋実氏(34)が、2月4日の投稿を最後に行方不明になっている。
山東省青島出身の陳氏は1月24日夜、「市民ジャーナリストとして、私にはこの災禍を取材する責務がある」として、移動制限が出された同日最後の列車で武漢入りした。
陳氏のようなビデオジャーナリストの武器といえば、閉鎖都市武漢の現状を撮影するスマートフォンと、その映像を投稿するソーシャル・ネットワークのアカウントだけだ。
このようなビデオブロガーによる無許可の報道は、中国国内で起きたこれまでの災害報道では前例をみない規模となっている。それは同時に、国内での情報統制を徹底してきた共産党政権にとって、まさに権力への挑戦そのものである。
陳氏は武漢入り以降1週間、感染患者でごった返す市内の病院内部や、急ピッチで建設が進む仮設病院、病院内に設けられたシェルターなどの映像を、中国ではアクセスが制限されているYouTubeとツイッターに投稿し続けた。
同氏の映像は数百万人が閲覧したが、官憲も同時に閲覧していたことは言をまたない。
武漢入りから1週間後、陳氏は当局に事情聴取された。その時の模様を陳氏は「私は怖い。私の前にはウイルスがあり、後ろには中国の法と権力が控えている」と述べている。
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