<権威ある医学誌BMIで記録的ダウンロード数を誇る論文は月着陸ほどの偉業ではなかったかもしれないが、20年前の純粋な探求心にあふれていた>
20年前、オランダのある研究チームがちょっと怪しげなタイトルの論文を発表した。「性行時、そして女性の性的興奮時における男女の性器の磁気共鳴映像(MRI)」----。
これはMRI装置の中でのセックスに関する初の記録であるとともに、世界トップクラスの歴史と権威をもつ医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル BMI のあまたの論文の中で最もダウンロード数が多い論文の1つとなっている。 それも、記念碑的な論文だけが選ばれて掲載されるクリスマス号を飾ったのだ。
BMIは、今年のクリスマス号で、この画期的な論文の20周年を祝してその業績を振り返ることにした。
研究チームの狙いは、MRI装置の中でセックスしている最中の人の性器を撮影できるかどうか、そして当時のセックスに関する常識が正しいかどうか確かめることにあった。
参加したのは8組の男女(うち1組は、路上でアクロバティックな芸を披露しているアマチュアのパフォーマー)と3人の女性で、実験は13回にわたって行われた。うち、3組のカップルには2度にわたってセックスをしてもらい、3人の女性には自分でオーガズムに達してもらったという。