【よろずのつぶやき by Wada】歴史的セリクラ
昨日の東京市場は歴史的な一日となりました。株式市場では日経平均が史上最大の下げ幅を記録して年初来安値を更新。先物市場ではサーキットブレーカーが発動される事態となりました。日経平均先物では一時30570円までの暴落。
ドル円は、株価の動きにつれるかたちで東京時間一時141.70円まで売り込まれたものの、欧州時間に入ってすぐに141.76円、NY時間に入ってからは141.84円までの下押しにとどまるなど、141円台での底堅さを確認。市場では「東京時間の売り込んだ動きがまさにセリングクライマックスの様相だった」との声も聞かれるなか、7月米ISM非製造業指数が予想を上回る強い数字となると米長期金利の上昇につれて144.89円まで買い上げられることになりました。その後の下押しも143.41円までにとどまると、引けにかけては144.28円まで買戻されてNY市場を終えています。
日経平均先物も33830円まで急激な買戻しとなるなど、まさに、日本株でもセリクラ的動きとなりました。アジア時間に入ってからは、日経平均先物が寄付きからサーキットブレーカーが発動。一時3500円近い暴騰と、史上最大の上げ幅を記録することになっています。ドル円も1円刻みの荒い値動きを繰返していますが、143.63円の安値から一時146.36円まで急伸。144.31円まで下押しした後、再び145.34円まで買戻されるなど、底堅い動きとなっています。
いずれにしても、不必要な極めてパーソナルな理由で実施された神田財務官による円買い介入を発端とした円キャリー解消の動きは、植田日銀総裁のあからさまな政治的圧力を受けての突然のタカ派転向をきっかけに加速度を増したわけですが、結果的には、新NISAを国策として進めているはずの日本国民のリスクテイクを全否定させるような無秩序な市場を作り出してしまったわけで、資産インフレを伴った株高と円安の同時進行というファンダメンタルズに沿った動きを完全に壊してしまったといえます。
日本当局によって作り上げられた無秩序な市場は、再びファンダメンタルズや需給関係といった構造的な方向性に市場自身が自ら正常化させていくしかなく、米系マクロ勢のサマーバケーション明けを待つまでもなく、セリクラを確認した市場は、新たな円キャリーを始めようとしているのかもしれません。それにしても、先ほど、15時から3者会合を行うことが報じられていますが、ドル買い介入を実施するわけにもいかず、日本株を年金など機関投資家に積極的に買わせる相談となりそうな様相です。