【よろずのつぶやき by Wada】近視眼的
先週末の海外市場では、激動の1週間を飾るに相応しい7月米雇用統計となったわけですが、失業率が4.3%まで急激な悪化。市場は一斉に9月FOMCと11月FOMCでの50bpずつの利下げを織込む動きとなりました。米金利が急激な低下に見舞われるなか、本来金利低下で買われるはずの株価も急落。景気後退懸念が台頭するなかでの動きに、為替市場ではドル全面安の様相。ドル円も米金利急低下と日経平均先物の1570円安を横目に146.42円まで売り込まれました。
週明けのアジア市場でも、早朝こそ146.66円まで買戻されたものの、日経平均先物が先週末の安値を下抜けて更に急落するとドル円も先週末安値を下抜けて下落。現物の日経平均が一時2500円を超える暴落となるにつれて144.77円まで売り込まれることになりました。株価が1000円買戻されたこともあり、その後は145.55円まで値を戻すなど、乱高下を続けているといったところです。
いずれにしても、ドル円は週足での一目雲が意識されているわけで、雲上限の145.83円がポイントとなっています。雲下限が140.78円に位置しており、1月2日の安値140.82円とほぼ一致する水準。構造的、または需給関係から鑑みた円安トレンドは変わっておらず、急速な円キャリー解消の最終局面に来ていると認識したいところ。植田日銀総裁のタカ派への突然の転向が、あくまでも政治的圧力の結果だったという仮定のもと、米国での利下げへの織込みも、あくまでも近視眼的な行き過ぎた動きだったのだとすれば、その巻き戻しもかなりのスピード感を伴うはず。市場では週明け早朝から、セリングクライマックス的な動きとなっています。