東京為替見通し=ドル円、株価や金利にらみ神経質な動きが続くか
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続落。7月米雇用統計が予想より弱い結果となり、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化。ダウ平均が大幅に続落したことでリスク回避の動きも合わさり、一時146.42円と2月2日以来半年ぶりの安値を更新した。ユーロドルはドル売りの流れの中で一時1.0927ドルと7月18日以来の高値を更新した。
本日の東京外国為替市場でドル円は、前週末に続いて株価や日米金利動向をにらんで神経質な展開が予想される。前週末は米株が大幅下落したほか、CME225先物は大証日中終値から970円安で引けており、株価が一段と下落する場合はリスク回避的な動きに傾きやすい。また、前週の日米金融政策イベントを通過し、タカ派の日銀に対しハト派の米連邦公開市場委員会(FOMC)となると、絶対的な金利差はあるとはいえ、金融政策の方向性の違いからドル売り・円買いの流れになりやすいだろう。さらには、前週末の弱い雇用統計を受け、足もとのFedWatchでは9月の0.50%利下げを織り込み始めている。
足元の日米株式市場に下げ止まりが感じられないなか、一段と株安が進む場合はドル円相場に下落圧力が掛かる公算である。日経平均については、先月11日に過去最高値となる4万2000円台に上昇後は右肩下がりの展開となっている。高値からの下落幅はすでに6000円超になっており、下げが一服した場合は自律反発が入ることもあり得る点は想定しておきたい。その時は一時的にドル円が買い戻されることも考えられる。
また、日銀・金融政策決定会合議事要旨(6月13・14日分)の公表が予定されている。この時は政策金利の据え置きと国債購入の減額方針を決定したものの、具体的な減額計画の策定は次回7月に持ち越しとなった。6月分ではあるが、どのような話し合いがなされたか気になるところだ。
中国では、7月のCaixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。市場予想は51.5と前月51.2をわずかに上回る見通し。とはいえ、中国経済の減速が懸念されている中とあっては、弱い結果となった場合のほうが影響がありそうだ。発表後の中国株の行方にも確認しておきたい。
そのほか、緊迫化する中東情勢もリスク要因といえる。万一、イランがイスラエルに対し報復攻撃をするようなことがあれば、直後はリスク回避の動きが強まることが予想されるため情勢を注視したい。