ロンドン為替見通し=序盤は日銀総裁会見、慎重な姿勢には要注意か
本日のロンドン為替市場では、序盤は植田・日銀総裁の定例記者会見を眺めながら動意付く(または右往左往させられる)であろう円相場が中心。執筆時点では日銀金融政策決定会合の結果は出ていないものの、昨晩の観測報道「日銀会合、追加利上げ検討」を受けて強まった金融正常化への思惑から円高が進行した。日銀総裁の会見では、結果に対する金融トップの認識が注目され、今後の政策へのヒントを探ることになる。
注意すべき点の1つは、市場が日銀の金融引き締めを織り込みつつあるなかで、植田総裁が依然として慎重な姿勢であると受け止められたときか。先週からの動きで、それまでかなり溜まっていた投機筋の円ショートは縮小しているもよう。くわえて、昨日からの動きで短期的に円ロングが作られていてもおかしくはない。まだ日銀はハト派的となれば、円売り再燃もあり得るだろう。
もちろん、想定以上に日銀のタカ派度合いが増しているようだと、逆サイドのリスクが高まる。米連邦公開市場委員会(FOMC)の9月利下げ開始が完全に織り込まれ、他の先進国中銀が利下げに舵を切り始めていることもあり、昨日からの円高の流れは加速することになりそうだ。
欧州からは複数の経済指標が発表され、その中では7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値に注目。市場予想は前年比総合が2.5%と前回から横ばい、同コアが前回から0.1ポイント低下し2.8%が見込まれている。昨日はドイツの同月CPI速報値が若干ながら予想比上振れており、ユーロ圏のインフレ率も下げ渋る可能性はある。
欧州午後には、金曜日の7月米雇用統計の前哨戦となる同月ADP全米雇用報告(予想:15.0万人)が発表予定。ブラックアウト期間前に複数の米金融当局者が労働市場について言及しており、NY午後にFOMCの結果公表を控えているとはいえ、値幅を広げるきっかけになるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロ円、30日高値167.95円
・ユーロドル、22日高値1.0903ドル
想定レンジ下限
・ユーロ円、4月19日安値163.02円
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0752ドル