【よろずのつぶやき by Wada】織込めば織込むほど
昨日の海外市場では、欧州時間とNY時間では市場の前提が違う展開となりました。欧州勢が入ってくるや否や、日銀会合に対するリーク記事が全く出て来ていないことを確認した海外勢が利上げなしを前提として買戻しを先行させると一気に155.22円まで値を上げたものの、その後は154円台半ばでの様子見が続きました。NY時間に入ってからは、6月米JOLTS求人件数や7月米消費者信頼感指数などが予想を上回る強い数字となったものの戻りも限定的。NHKが日銀が0.25%程度への利上げを議論することを報じると一気に売りが強まる動きとなりました。続いて時事通信や日経新聞といった、いわゆる日銀リーク御三家の報道が相次いだことから、市場は一斉に日銀の利上げを織込むことになりました。
アジア時間に入ってからは、まだ織込み切れていなかった本邦勢が売りを先行させた模様ですが、月末とあって実需勢の買い需要が「非常に強い」のも事実。値動き的には上下に振幅しているようにみえますが、「利上げ決定でこれだけ?」との印象の方が強い相場展開となっています。日経平均についても、昨日の先物で37890円付近まで急落したものの、東京市場では38000円割れでの底堅さが目立っているといったところ。
買いたい向きにとっては、「日銀の利上げがあるかもしれない」という唯一の懸念材料が「日銀は利上げする」との事実に変わり、むしろ、市場がここまで織込む動きとなればなるほど、逆にリスクは低下してくるわけで、買いやすい状況が整いつつあるのかもしれません。本日も市場はなるべく早めにランチタイムとトイレタイムを済ませ、大きなイベントを迎えることになります。