砂を掘つたら血が噴いて、
入れた泥鰌が竜になる。
ここで暫く絶句して、
序文に凝つて夜が明けて、
覚めた夢から針が降る。
…
青い空から鳥がくる、
野辺(のべ)のけしきは既に春、
細い枝にも花がある。
遠い高嶺(たかね)と我がこころ
すこしの雪がまだ残る。
《与謝野晶子 「小鳥の巣」抜粋》
出かけねばならぬ支度をしつつ
晴れとも曇りともつかぬ気の重い春の窓辺におります
砂を掘つたら血が噴いて、
入れた泥鰌が竜になる。
ここで暫く絶句して、
序文に凝つて夜が明けて、
覚めた夢から針が降る。
…
青い空から鳥がくる、
野辺(のべ)のけしきは既に春、
細い枝にも花がある。
遠い高嶺(たかね)と我がこころ
すこしの雪がまだ残る。
《与謝野晶子 「小鳥の巣」抜粋》
出かけねばならぬ支度をしつつ
晴れとも曇りともつかぬ気の重い春の窓辺におります