松本:台本を暗記することは別にここに来てからやらなくても出来るという事を、蜷○さんはよく言ってて。
蜷○さんが自分の言葉で言うのは「ほかの連中のやってる稽古より、ひとつ上のレベルから始まれる稽古だろ」
俺は、それを舞台『白夜の女騎士』をやった時に言われたんだけど。
インタビュア:松本君も、最初からそのレベルでやりたいんだ。
松本:そう。そのスタンスで普段もいたいんだよ俺は。それが普通なの。
インタビュア:最初のレベルが高いんだ。仕事の面でね?
松本:そうそうそう。
インタビュア:演じる時は、役を自分に引き寄せる?それとも、自分を役に預けるイメージ?
松本:うんまあ。役によって違うかな。時と場合によるんだけど、
なんだろうな?ここに(後頭部から10センチ程後ろに離れた付近を指す)目があるんだよね。
インタビュア:演じてる時にですか?
松本:そう。
インタビュア:真上でも俯瞰でもなく?
松本:自分のうしろから、自分を見てる。役である自分がどこを見てるか、ていうのは、
その時の芝居とか感情によって、見てる視界も視点も全然違うんだけど。
普段の自分と同じ視界を持ってる目が、後ろにいる。
時と場合によるけど。すっごい感情で芝居する時とかはいないけど。
(中略)
自分の目線=リアルな自分の目は、芝居をしてる役の目だから、それとは別の物がある、かな。