投票所での男女確認は必要か
『朝日新聞』「声」欄 2019年2月17日
LGBT団体役員 酒井 徹 (愛知県 35)
https://www.asahi.com/articles/DA3S13896819.html
生まれつきの性と異なる性で暮らす
トランスジェンダーの有権者への配慮が広がっている。
3日投開票だった愛知県知事選では、
県内54市町村のうち34市町村が
投票所入場券に性別欄を設けなかったと記事で読んだ。
県選管は、
投票所での本人確認を見た目の性別に頼らないようにし、
確認の必要がある場合も小声で尋ねるなどの配慮を、
市町村選管に求めるそうだ。
私が投票した投票所では、
職員が操作する投票用紙交付機の前に、
つい立てが設けられた。
交付機には黒の「男ボタン」と桃色の「女ボタン」とがあり、
男女別投票者を数える。
ボタンを押すところが本人や周囲に見えたら、
自分が男に見えるか女に見えるか
「品定め」されているように感じるが、
つい立て一つでその抵抗感は解消される。
しかし、
同じ県内でも半田市のように、
投票所の受付が銭湯のように男女別になっているところも
ある。
「配慮」のあまりの地域格差にがく然とした。