――開発中の次世代ゲーム機「NX」の手応えは。
「新しいものだなと思います。ハードも、ソフトのラインナップも、自分も最初から遊んでみたいと思えるものになっています」
――発売時期は2017年3月で、今年の年末商戦には間に合いません。遅くないですか。
「ソフトの開発状況にあわせたためです。3月発売と言っても、最初のゲームを遊び終わった方は、春に、夏休みに、クリスマスにと
次々にソフトを買いたくなってくる。ハードの発売時だけではなく、その後も考えてソフトのラインナップを組み合わせないといけないんです」
――ソフトが十分そろわず失速した現行の据え置き型ゲーム機「Wii U」の反省のうえですか。
「そういう経験もしていますので。ただ、Wii Uのときは為替の状況で価格設定も難しい環境にあったというのも事実です」
――来年3月に出るなら、今年はゲーム機を買うのをやめようという人が出ませんか。
「我々のビジネスは勢いのビジネスです。Wiiに比べれば、Wii Uの勢いはご存じの通り。NXが出れば減速すると思います。
でも3DSは今年、ポケモンの新ソフトが出ます。ポケモン自体はいま勢いがいいので、NXを出すことによるマイナスの影響は出てこないと思います」
――3DSが影響を受けないのは、NXがWii Uと同じ据え置き型だから、というふうにも聞こえますが。
「そう捉えられやすいですね。でもNXはWii Uの後継機でも3DSの後継機でもない、と言っています。新しい遊び方が出てくるので、
今のWii Uよりはインパクトがあるとは思いますが、Wii Uの代替ですかと言われると違います」
――2017年3月期の年間売上高の計画は、前期並みです。でも、Wii Uの販売台数の計画は前期より240万台も少ない。それだけNXが売れるということですか。
「NXについては不確定要素があるので、仮の数字です。ただ、それなりにNXへのお客様の関心が高くならないと、きついとは思います。
さらに、スマートデバイス向けゲームの売り上げ贈も期待しています」
――価格も注目です。任天堂は、買いやすい価格にこだわってきた歴史がありますが。
「任天堂のゲーム機を買っていただくための価格帯というのは、ある程度あります。開発者はいろいろな機能をつけたがりますが、
赤字で出すことはできません。そのせめぎあいで、最終的な形が決まりました。『新しいものだから、今までのゲーム機よりもはるか
高い』というやり方は、ないと思っています」
http://digital.asahi.com/articles/ASJ5903YMJ58PLZB00Z.html?rm=1066