http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/012600052/012600004/?P=8
Switchの登場で疑問が残るのが、3DSや2DSといった任天堂の携帯型ゲーム機の今後である。
Switchは据置型ゲーム機と任天堂は強調するものの、持ち運びが可能で、本体のディスプレー部を机などに置き、
ジョイコンを外してプレーする「テーブルモード」やジョイコンを本体に取り付けたままで遊ぶ「携帯モード」を備える。
実は、これまでの任天堂のゲーム機の製品サイクルでは、
「2017年に携帯型、2018年に据置型の新しいゲーム機を発売するスケジュールだったはずだ」(ゲーム業界に詳しいSMBC日興証券 株式調査部 シニアアナリストの前田栄二氏)。
ところがWii Uの失敗で、2017年に据置型のSwitchを前倒しで発売せざるを得なくなった。
任天堂は既に新しい携帯型ゲーム機の開発に着手しているもようで、登場するのは2018年以降とみられる。
Switchと新しい携帯型ゲーム機の発売の順番が入れ替わった結果、携帯型ゲーム機の存在価値が問われる形になってしまった。
もしSwitchの売れ行きが好調で、テーブルモードや携帯モードでの利用者が多ければ、携帯型ゲーム機との統合の可能性が高まってくる。
その場合、ディスプレーサイズは現行の6.2型から5型以下に縮小して小型・軽量化し、子供が落としても壊れないように頑丈にした、
「『Switchスリム』というような名称の小型版が出る可能性も考えられる」(SMBC日興証券の前田氏)。
Switchベースの携帯型ゲーム機を実現する上で、課題になるのが内蔵2次電池による駆動時間だ。
ゲームによるものの、現状のSwitchの駆動時間は2.5~6.5時間とあまり長くない。ゲームによって駆動時間が大きく変わるのも気になる。
例えば、ゼルダの伝説の場合、およそ3時間だという。
小型版のSwitchでは、ディスプレーが小型化され、より消費電力が小さいアプリケーションプロセッサー(AP)を採用するはずなので、
ある程度は解決できそうだ。Switch本体に搭載されたAPよりも処理性能が落ちても小型ディスプレーだけに映像を表示するなら、性能を維持するのは不可能ではない。
Switchの場合、本体ディスプレーでプレーする場合は1280×720画素だが、ドックに格納して外部ディスプレーでプレーする場合は、
HDMI端子で1920×1080画素の映像を出力する。その分、処理性能が高いAPを搭載しているため、
消費電力が大きい。仮に1280×720画素や、それ以下の表示に限定すれば、APの消費電力は抑えられるはずだ。