お問合せ
ハローダイヤル 03-5777-8600
展覧会の構成
《陽光のなかの裸婦(エチュード、トルソ、光の効果)》
1876年頃 油彩/カンヴァス
オルセー美術館
© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt /distributed by AMF
《読書する少女》
1874-1876年 油彩/カンヴァス
オルセー美術館
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski /distributed by AMF
《草原の坂道》
1875年頃 油彩/カンヴァス
オルセー美術館
© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt /distributed by AMF
《ぶらんこ》
1876年 油彩/カンヴァス
オルセー美術館
© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt /distributed by AMF
《ジュリー・マネ》あるいは《猫を抱く子ども》
1887年 油彩/カンヴァス
オルセー美術館
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
《ピアノを弾く少女たち》
1892年 油彩/カンヴァス
オルセー美術館
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
《薔薇を持つガブリエル》
1911年 油彩/カンヴァス
オルセー美術館
© Musée d'Orsay, Dist. RMN-Grand Palais / Patrice Schmidt /distributed by AMF
《浴女たち》
1918-1919年 油彩/カンヴァス
オルセー美術館
© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
1章 印象派へ向かって
本展は、ルノワールの印象派への歩みを示す2点の輝かしい作品で幕を開けます。磁器の絵付け職人を経て、国立美術学校(エコール・デ・ボザール)や私設のアトリエで絵画を学んだ若きルノワールは、モネやシスレーとの出会いを通して、新しい絵画を志すようになりました。《猫と少年》には、歴史や神話といった主題を捨て、日常を率直に描写した先輩画家クールベやマネの影響がうかがわれます。そして5年後に制作された《陽光のなかの裸婦(エチュード、トルソ、光の効果)》には、戸外の光、大胆な筆触、色彩を帯びた影といった印象派の美学が凝縮されています。
2章 「私は人物画家だ」: 肖像画の制作
早い時期から「人物画家」であると自負していたルノワール。初期にはパトロンや親しい仲間の肖像を描き、何より女性の肖像画に長けていました。モデルは、モンマルトル界隈の若い労働者から、社交界の有名人までさまざま。こうした肖像画は、小説家マルセル・プルーストによる美しい賛辞を生みました。「たちまち世界は(世界は一度だけではなく、独創的な芸術家が現れた回数だけ創造されたのだ)、私たちの目に、古い世界とはまるで違って見える。女たちが街の中を通る、以前の女たちとは違う、つまりそれはルノワールの女たちというわけなのだ」(『失われた時を求めて』より)。
3章 「風景画家の手技(メチエ)」
その画業を通じてルノワールは風景画にも力を注ぎ、特に1870年代には、油彩作品の4分の1を風景が占めています。また、1880年代に外国を旅したことによって、新しい場所が作品に現れるようになります。室内で完成されるとしても、彼にとって風景画とは戸外のものでした。「アトリエの和らいだ光の中では想像すらできない色調を用いるようになる。風景画家の手技(メチエ)とは何というものだろう! […]天気が変わってしまうか