>FRB議長の刑事告発示唆する文書 歴代議長らが司法省の対応非難
2026年1月13日(火)午前6時29分 NHK
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015024981000
.
.
.
〓マネタリスト・マークⅠは、家計部門が名目賃金上昇率がインフレ率に追いついてないことに気づくと徐々に適応(名目賃金上昇率をインフレ率に等しい水準まで引き上げ)、サプライ・ショックの前後で実質賃金水準が一定となると主張する。
〓家計部門や企業部門と異なり、金融機関の資産・負債は共に貨幣であるから、インフレに対して中立性を維持することが出来る筈なので、サプライ・ショックの前後で実質賃金水準が変わらないのであれば、コストプッシュ・インフレに利上げで対応するのはナンセンスである。
〓利上げをすればコストプッシュ・インフレの原因となった地政学的リスクを帳消しにできるという筋合いではないというのがマネタリスト・マークⅠの考え方である。
〓マネタリスト・マークⅠは、名目賃金上昇率がインフレ率に追いつくことで元の実質賃金水準と労働需給に収束すると言った。
〓マネタリスト・マークⅠは、人々がインフレに徐々に適応して行くので、予想インフレ率も徐々に名目賃金上昇率に織り込まれて行くと考えた。
〓金融機関は企業部門や家計部門などと異なり、資産・負債ともに貨幣なのであるから、インフレ(貨幣価値の変動)に対して基本的に中立性を維持できる筈なので、サプライ・ショックの前後でマクロ的な実質賃金水準が一定なら、金利を変更する意味が無いというのがマネタリスト・マークⅠの見解である。
〓裏を返せばサプライ・ショック、コストプッシュ・インフレに利上げで対処すべきなケースというのは、サプライ・ショック後のマクロ的な実質賃金水準がショック前より顕著に増加して景気が過熱してしまった場合に限られる。
〓もっとも通常のサプライ・ショック、コストプッシュ・インフレ期の前後でマクロ的な実質賃金水準が顕著に増加することは考えにくい。
〓その点は2022年以降のアメリカ経済も同じであったと思われる。
〓つまり2022年に発生したサプライ・ショック、コストプッシュ・インフレに利上げで対処しようとしたジェローム・パウエル議長の金融政策運営は理論的根拠を欠いており、徒にアメリカの実物市場を縮小させる誤った政策運営だったと言える。
〓『政府からの独立性』の名の下に、誰も誤った金融政策運営を正せないのは非常に問題である。
〓そのような状況に対処すべく、アメリカ司法省が緊急避難措置としてパウエル議長を刑事告発することを示唆する文書を送付したのであれば、已むを得ないことだ。
〓そもそも金融政策は民主主義的多数決に馴染まないことは自明であり、歴代議長や財務長官が嵩に掛かってアメリカ司法省に圧力を掛けるのは間違いである。
〓アメリカ司法省の緊急避難措置が間違っていると言いたいのであれば、グリーンスパン、バーナンケ、イエレン、ポールソン、ガイトナーは、サプライ・ショック、コストプッシュ・インフレに利上げで対処することの理論的根拠を明示する必要がある。