BISは、1930–31年の対ドイツ債券投資に関する利息支払いを戦争中も受け続け、その大半は 金(ゴールド)で支払われていた。
→この金の一部は、ベルギーやオランダなど占領地から略奪されたものであり、ドイツが溶解加工(リメルト)して出所を隠した上でBISに渡されていた
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・永世中立国スイスは自国の安全保障を金融面における中立と密接に結びつけ、ドイツに対し「金融ハブとして協力可能である」と暗に示した。ヒトラーにとってスイスは、国際的信認を保持しつつハード・カレンシーを供給できる唯一の拠点として温存された。
→ドイツにとってBISの存在は依然として不可欠だった。フランス占領後、ドイツはスイス経由でポルトガルのタングステンやブラジル産工業ダイヤなど戦略物資を調達していたが、その決済にはスイス・フランを中心とするハード・カレンシーが必須であった。国際金融ネットワークを維持し、ライヒスバンクの国際業務を代行しうる組織として、BISは第三帝国の戦争経済における金融的窓口の役割を果たした。ただし、これは単なる「ドイツへの協力」ではなく、スイスや他の中立国にとっても自国の経済的生存戦略であり、BIS自体も連合国との関係を保持し続けた。