〓1931年の満洲事変は、東北地方を襲った深刻な冷害による食糧難の解決策として東北出身者を主力とする関東軍を率いた板垣征四郎や石原莞爾が清朝最後の皇帝を推戴して引き起こした軍事行動であった。
〓正に このような時期こそアメリカは東北を中心とする日本に向けて食料を輸出することに全力を傾けるべきであったが、日本の消費者が食料を求めていた時にアメリカから満足な食料が入って来くることはなかった。
〓現在でも日本の食料自給率は依然として低い水準にあり、日本ほど世界中から食料を輸入している国は無い。
〓日本ほどの食料輸入大国に向かって農産物市場を開放せよとか、日本の消費者が欲する以上の牛肉、オレンジ、コメを押し売りしようとする態度は見当違いも甚だしい。
〓日本人の嗜好に合った正常財、石油危機以降の生産要素価格の上昇に適合した製品を開発せずに燃費の悪い劣等財を押し売りしようとするアメリカの自動車メーカーの態度と全く変わらない。
〓世界大恐慌後のアメリカのビジネスマンには、T型を売り出したヘンリー・フォードのように消費者と共に豊かになろうという真っ当な哲学を持った実業家が見当たらない。
〓アメリカのビジネス・スクールは低賃金の未熟練・移民労働者に少しでも安く作らせる製造業に更なるコスト削減を要求したり、プラザ合意のような為替操作、更にはM&Aで安易に利益を上げようとする出来損ないのビジネスマンや投資銀行員を育成するばかりで役に立たず、自由主義ブルジョア経済の発展に寄与するヘンリー・フォードのような人材の育成を怠っている。
〓アメリカのビジネス・スクール出身者で法の支配や新古典派の経済原論を正しく理解している者は極めて少数であり、出来損ないのクズばかり。敢えて友達づき合いをしたくなる程の人物は皆無に近い。