フェイク済み
親戚の家は一階が事務所で二階が普通の家で、毎年正月はよくそこに集まっていた
隣は古着屋で、福袋商戦の激しい地区にもれず、福袋を用意している
立地的にどうしても家の壁にそってをL字に曲がるように並ばなければならないようで
毎年正月は3時ころから、あ、人が並んできたな…と思いながら目覚めるのが常だった
トイレに立つついでに障子をあけて外を見ると、真下に人の頭がずらりと並んでいるのが子供心に面白かった
毎年のことなので訓練された地元民からはほとんど奇声も聞き取れるほどの単語も聞こえなかったんだけど
それでもさわ、さわ、といった人の声や衣擦れが聞こえるんだよね
近くにある自販機もよく鳴っていた
もちろん音が気になって寝られなかった
人の群れを眺めていると親戚一家も起きてきて、福袋は我が土地の伝統だしお正月だから
まあ多少はねと笑っていたっけな
この事で人の声ってかなり抑えても神経に触るんだなーと学んだのを水袋の件で思い出した