> 「東大卒」が自慢の 「有名翻訳家」先生、
■■翻訳者向きの東大気質■ 翻訳業界にはなぜか東大出身者が多い。たとえば、井口さんと同じ頃、エクストランスの河野弘毅さんが駒場に通っているし、農学部や教養学部で院生をしていた人が翻訳フォーラムのスタッフにいるという。
東大というのは翻訳に向いているのか、という筆者のぶしつけな質問に対して、井口さんは嫌な顔ひとつせず答えてくれた。
「東大に入る人は、受験勉強に真正面から取り組んでいるように、どこか生真面目なところがあるんでしょうね。そんな性格が翻訳にあっているのかもしれません」
「理屈っぽい人が多いし、わからないところをそのままにしておけないという意味で好奇心の強い人が多いんです。翻訳作業中になにか変だなと感じるところがあると、気になってしまってとことん調べ上げるようなところがあると思います」
■■駒場での長~い青春■ 話を戻そう。
東大に入学し、駒場構内にある寮に入った井口さんは、当初の予定通り思う存分スケートに打ち込む生活を始めた。
東大にもフィギュアスケートのクラブがあったのでさっそく入部した。だが、さすがは東大である。 .................