井口 耕二(いのくち こうじ、1959年 - )は、福岡県生まれの元男性フィギュアスケート選手で現在は翻訳者。栃木県立宇都宮高等学校、東京大学工学部卒業。オハイオ州立大学大学院修士課程修了。フィギュアスケート時代のパートナーは瀬野尾さき子。
誤訳、悪訳多数, 2012/11/10
レビュー対象商品: スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション (単行本)
誰も誤訳についてコメントしていないので、幾つか指摘しておきます。
p7 『...など終わったことしか喜ぶべきものがなかったとして、この10年間を「地獄の10年」と表現した』
「など終わったことしか喜ぶべきものがなかった」→日本語として意味不明です。
あと、「the Decade from Hell」を「地獄の10年」と直訳していますが、「from hell」は「最悪の」という程度の意味でしょう。ドラマ等で"boyfriend from hell"なんて言い方よく聞きますが、ご存じないのだろうか?
p9 『「我々にとっては戦うことが救いなのかもしれない」とリック・ハンプソンがUSAトゥディ紙に書いている』
frightを「戦う」と訳していますが、正しくは「恐怖」で完全な誤訳。
p11 『まわりの人を巻き込めなければイノベーションに意味はない』
原文は「innovation means nothing if you can’t get people excited about it」
で、「まわりの」とか「巻き込む」とか原文に一切書いてない。「人を楽しませなければ~」という意味。
p28 『なぜジョブズなのかという質問には、回答者の3分の2近く(61%)が「違いを生み出した人だから」』
新聞やニュース等でよく出てくる言い回し「make a difference」を直訳しているが、正しくは「世界を変える」とか「偉業を成し遂げる」という意味。
p64 『問題は、本社と人事部があり』
原文は「The trouble is you have human resource departments and headhunters」なので、「ヘッドハンター」を「本社」と訳しており完全な誤訳。
p75 『ハラリはプリンストン大学で物理と半導体を学び、ソリッドステート大学で博士号を取得する』
原文は「earned a Ph.D. in solid-state science from Princeton, where he studied physics and semiconductors」なので、「プリンストンで半導体の博士号を取得」が正しい。常識で考えて「ソリッドステート大学」なんて大学あるわけないでしょう。
幾つか例を上げましたが、他にも沢山あります。 詳しくは「ジョブズ 誤訳」で検索してください。