『訪問者』を読んで改悪に驚いたのは遠い思い出
ストーリー自体は子供の目から見た家庭崩壊ものとしてそう悪い内容じゃないが
どう考えても過去作でのキャラクター描写との辻褄が合わない
なにやら信頼のおけない作家になってしまったなと直感した
作品は作品としてそこに存在することを大切にせず一種の道具扱いするタイプの作家が数多くいるのは分かる
だがまさかこの作者までも…と当時は残念で仕方なかった
作中の表現を借りれば「母」として自分が生み出したものだから好きにさせてもらうというようなスタンスなのだろうか
今回の大泉本を読んでなんとなく作家としての変容と限界みたいなものが見て取れて
直感は狂わない狂っていれば直感ではないと納得できた