教授は、日本のアイコスの場合、13のバイオマーカーが提出され、そのうち3つが従来の紙巻きタバコと違うことが示された、と言う。
その中の1つは擬陽性が疑われるデータだが、
日本の申請データは今回、米国FDAに出されたものよりもアイコスに有利だ。
だが、これは日本人と米国人の間に潜在的にある生物学的な違いが影響しているかららしい。
もちろん、これらのデータはすべてPMI側から出されたもので、今後はPMIからのバイアスが排除されたFDAの臨床試験が必要になる。
同教授は、PMIのアイコスのデータは不十分かつ危険性を排除しきれていないため、
むしろPMI自身がアイコスが既存の紙巻きタバコと同じと言っているのに等しく、FDAはまだ販売申請を受理する段階にはない、と主張している。
アイコスに新たな研究結果が発表される
また、11月14日に行われた米国カリフォルニア州アナハイムで行われた米国心臓協会(American Heart Association)のプレゼンテーションで、
同じカリフォルニア大学サンフランシスコ校のマシュー・スプリンガー教授らがアイコスのエアロゾルをラットにさらした際の血管機能の低下について報告している(※2)。
これは確定的な研究発表ではないが、従来の紙巻きタバコとほぼ同じ機能低下が見られた、と言う。
この研究発表は、米国の国立衛生研究所(NIH)とFDAから資金を提供されて行われたものだ。研究者は、この結果を踏まえてFDAは慎重に認可可否を決めるべきと言っているらしい。
日本人と米国人が生物学的に違う部分は確かに報告されている(※3)一方、日本呼吸器学会も加熱式タバコを含めた新型タバコには否定的だ。
加熱式タバコが急速に広まっている日本でも、FDAのアイコス販売に対する決定がどうなるか無視できない。