一部の人に好評なようなので・・・・
双子を見わける方法はたったひとつしかなかった。
彼女たちが着ている白衣である。
くたびれた白衣で胸には青い刺繍で数字がプリントされていた。
ひとつは「208」、もうひとつは「209」である。
その番号は何を意味するのか、と僕は二人に訊ねてみた。
何も意味しない、と彼女たちは言った。
「機械の製造番号みたいだな。」
「何のこと?」と一人が訊ねた。
「つまりさ、君たちと同じようなのが何人も居てさ、
そのNO・208とNO・209ってことさ。」
「まさか、」と209が言った。
「オーケー、じゃあこうしよう。」と僕は言った。
「君を208と呼ぶ。君は209。それで区別できる。」
僕は二人を順番に指さした。
「無駄よ。」と一人が言った。
「何故?」
二人は黙って白衣を脱ぎ、それを交換してするっとはおった。
「私は208。」と209が言った。
「私は209。」と208が言った。
僕はため息をついた。