文法化とは, 動詞や名詞といった内 容を表す語が,助動詞や代名詞のような文法的機能を帯びるようになる意味変化である. この現象は多くの言語で同型のものが見つかっており,人間の認知構造が反映した言語(変 化)現象と考えられる. 本研究では,言語使用者の言語学習過程に着目した文法化が生じ るプロセスのモデルを構築する.
語義・語形・語音によって「意味の漂白」(semantic bleaching)、「脱範疇化」(decategorization)、「縮約」(contraction)の三つの要素に分類されることが多い。
助動詞:「なり」 < 助詞 + 動詞「に・あり」、「ぬ」 < 動詞「去いぬ」、「つ」 < 動詞「捨うつ」、「た」 < 助動詞「たり」 < 助詞 + 動詞「て・あり」、「ます」 < 動詞+助動詞「参ら・す」、「みたいだ」 < 動詞 + 助動詞「見た・様だ」、「ちゃう」 < 助詞+動詞「て・終しまう」など多数ある。
助詞:「くらい」、「ほど」、「だけ」、「ばかり」(名詞から)、「を・もって」、「に・おいて」(助詞 + 動詞から)
接頭辞:「御お」 < 「おん」 < 「大御おほみ」
終助詞:「かしら」<助詞+動詞+助動詞「か・知ら・ん」