Q 唇の皮が繰り返しむける
唇の皮むけが治りません。ワセリンで保湿していましたが、洗顔や入浴の時にふやけてしまい、繰り返しはがれます。
唇の内側の皮がむけやすく、最近ではむける範囲が広くなってきました。皮膚科に通って薬を塗りましたが、状況は変わりません。治す方法はありますか。(19歳女性)
A 物理的な刺激による口唇炎
福田 英嗣 東邦大学医療センター 大橋病院皮膚科准教授(東京都目黒区)
症状の経過から「 剥脱性(はくだつせい) 口唇炎」が考えられます。唇が乾燥して皮がめくれたり、赤くなったり、ひび割れ、かさぶたがみられる病気です。
原因ははっきりしませんが、現在はなめる、もしくはむしるなどの物理的な刺激による刺激性の口唇炎と考えられています。
この病気と診断するためには、アレルギー性の接触性口唇炎、いわゆる「かぶれ」を除外することが重要です。
かぶれの原因として、食べ物や口紅、リップクリーム、歯磨き粉、治療で使用している外用薬などが考えられるので、これらに対し、皮膚科でパッチテストを行い、かぶれかどうかを判断します。
また、口の中にいる一般的なカビ「カンジダ」や細菌などの感染を伴うこともあります。それぞれ治療法が異なるので、検査が必要です。
剥脱性口唇炎は治りにくい病気です。治療にはワセリンなどの保湿剤を使用し、炎症が強い時はステロイドや非ステロイドの外用薬を使います。
また、栄養バランスに気をつけ、ビタミン、特にB2、B6を補うことも治療の一つとなります。
精神的な原因が背景にあると無意識のうちになめたり、むしったりしてしまうことがあるので、ストレスをためないなど日常生活を工夫することも大切です。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170321-OYTET50009/