昨年のペナント2023制覇は前任たる矢野監督の和気あいあいチーム錬成があったからこそ
イキナリ岡田監督が登場してイチからすべてを築きあげたワケじゃあない
のびのびプレイをとおして培われる投・打・守の飛躍的向上と連帯感が2019年より着実に積み重ねられAクラス街道を毎年つづけて爆進しいよいよ2022年に花ひらこうとしていた
しかしここでチームを取り巻く周囲の環境に異変が起こる
あまりにもムードが高まり過ぎたために報道が過熱しついには優勝の文字を大々的に掲げるようになってしまった
これはヤバイ
日本は言霊の国
心のなかに秘めておくべき想いをみだりに言葉として発することには大きな危険が伴うもんだ
典型的な例としては放送番組の実況者や解説者がゲーム中に不吉な懸念を発言した直後にその通りの展開が発生してしまい絶句するなんてのが挙げられる
これはチームを問わず長く野球ファンやってる人なら誰でも覚えのあるガッカリ現象
優勝の文字も然り
地域の商店街や飲み会などで仲間があつまり盛り上がるだけならともかくこれを放送媒体で大々的に喧伝してしまうことは言霊を発動させてしまう激ヤバフラグ以外の何ものにもあらず
結局2022年は僅差で優勝かなわずとなりバトンを託された岡田監督が用心深く「アレ」をマスコミに周知徹底して言霊の発動を封じペナント2023の制覇に至らしめた
つまりこの優勝は矢野監督が鍛えあげたチーム力という置き土産を岡田監督が活用・昇華したからこそ成し遂げられた言わばタッグ優勝だ
しかし今年は違う
岡田監督の采配のみで突き進むのだから矢野ガッツの和気あいあいチームパワーは最早そこに存在などしていないんだよ
あのムードは新チーム体制に吸収そして消化された
いまの虎は少年たちにユメをとどける和気あいあい情熱野球ではなく勝利至上主義に駆り立てられたビジネス管理野球だ
成績がふるわなければ奮起の機会なぞ制限され容赦なく降ろされる野球
たしかにプロとしては正しい姿だろう
球団のために勝利を積み重ね収益に貢献するのがプロだから
でも
それは野球を他のプロスポーツと十把一絡げに扱う場合のハナシ
日本野球の長くそして熱い歴史には他競技の追随を許さない重みがある
天覽試合が挙行されたなんてのは野球以外なら国技柔道や相撲ぐらいだ
だんじて野球は数字だけのスポーツにあらず
今年は虎にとって真の試練が襲いかかってくるぞ
フロントは甲子園100周年の華やかなるメモリアル優勝を期待しているがそれは同時に恐ろしいほどの精神的重圧がチームにのしかかることを意味するんだから
矢野監督のガッツ野球ナシで戦う岡田監督
昨年2023に失われたモノがどれほど大きかったのか
今年はそれをペナント終了後に思い知らされるシーズンとなりそうな希ガス