http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140630_655759.html
2013年のモデルで色域を広げようとした時、あえてつけた名前が「トリルミナス」でした。
これは2004年、私が当時カメラをやっていた時、テレビと一緒に「色を良くしよう」と考えてつけたものです。
しかしそれは継続できなかった。
「新しい技術を普及価格帯に持っていくための障壁」を越えられないと、こういうことが起きるんです。
残念ながら、液晶の価格が大きく変わる中で、お客様の感じる価格価値をどうポジショニングするのは難しいです。
しかし、やはり技術屋が2年先・3年先の技術をどうやって仕込んでいくかが大切です。
技術は連続であり、いきなり非連続な進化をすることはありません。
技術の可能性は価値を上げることでもありますし、コストを下げることでもあります。
そういう技術を仕込む、ということを、中のエンジニアには鼓舞しています。
「技術のタネを切らすな」「決めた軸はぶらすな」ということは、私自身、そして私の次のマネジメントにも引き続きやっていきたいと思います。
例えば直下型バックライトについては、非常に価値のあるものですから、ぜひ量産型のところまで広げていきたい。
そこはパネルに付随した「縦糸」です。それをどう技術を組み合わせて紡いでいくかが重要です。
技術の進化は止まりません。私は最終的に、自発光型デバイスになるだろう、と思ってます。
しかし、液晶の進化も止まったわけではないんです。
X-tended Dynamic Range(XDR)という、きらめきや色再現を上げる技術はまだまだ進化の可能性を持っています。
有機ELについては、それに勝るアウトプットを出せる時期に、商品としての価値を持つと思っています。
そして、それがお客様の価値にどうミートするか。
有機ELがいつ商品化されるかは、そうした時間軸の中で考えていくことだと考えています。