週明け25日の東京株式市場の日経平均株価は、日銀の買い支えへの期待から買い注文が優勢となり、終値は前週末比36円42銭高の2万2939円18銭で約26年ぶりの高水準を付けた。11日に付けたバブル経済崩壊後の終値の最高値(2万2938円73銭)を0円45銭上回って更新した形だ。
株価は政権発足時の2倍以上。東京外国為替市場でも円相場は113円台と、政権発足時から約30円の円安水準で取り引きされた。
円安と株高を進めたのは日銀が25年4月以降打ち出した「異次元」の金融緩和だ。企業業績は輸出産業中心に改善し、28年度の経常利益は75兆円と過去最高水準。29年7~9月期の名目GDPは549兆円と、設備投資や公共投資に牽引(けんいん)され過去最高を更新した。雇用は10月の有効求人倍率が1・55倍と、昭和49年1月(1・64倍)以来、43年9カ月ぶりの水準だった。
ただ個人消費が弱い。今年10月の消費支出(2人以上世帯)は28万2872円と発足時の32万5492円を大きく下回った。
理由の一つが賃上げが弱いことだ。みずほ総合研究所の酒井才介主任エコノミストは「企業は、長年デフレが続き物価を上げられない中、賃上げしても収益が圧迫されるだけだと恐れている。雇用慣行上、いったん上げた賃金を下げづらいことも大きい」と指摘。柔軟に設定できる賃金体系の導入などが必要だとする。