--「気持ち」を変える指導は難しいのでは
「言われたことを何も考えず、ただこなしている選手と、
同じ練習はするけれど自分の中で常に考えている選手とでは、
実業団に行ったときの差ってものすごく大きい。
だから今、うちの学生には『考えて練習しなさい』と常に言っています。
今の子たちって安易に答えを求めてくるんです。これはどうしたらいいですか、あれはどうしたらいいですかと。
監督とか私が答えを与えることは簡単です。
経験もあるし、アドバイスもできる。だけど、答えを与えると考えなくなる。
そういう選手が多いんですよ、実業団に行っても」
「なので、今はあまり答えを与えないようにしています。ヒントだけ与えて。
人から言われてやったことは、自分の中にあんまり残らないんですよ。
自分ですごく苦しんで出した答えは残る。苦しんで出した答えが多ければ多いほど、
経験として引き出しが増える。引き出しが多いほど対処能力が高くなると思うんです。
引き出しを増やす作業、そういう指導をしようとしています」