◇西山「ずっとタイトルが欲しかった」
駒大3年の西山が仕掛けたのは残り1キロを切ってから。一騎打ちの相手は、山梨学院大付高の時に全国高校駅伝を制した実績がある1学年下の上田。強豪相手に速度を上げ、じわじわ突き放した。
雨でぬかるんだ芝生コースも構わず、西山は力強い走りを続け、最後は両手を小さく広げてフィニッシュ。「条件が悪い中で我慢のレースと思っていた。ラストに(スピードを)切り替えられて良かった」と満足顔だ。
西山も三重・伊賀白鳳高の時に全国高校駅伝で実力者が競い合う「花の1区」で区間賞を獲得。だが大学進学後は伸び悩み、今季の箱根駅伝は7区で4位。チームも3大駅伝全てで優勝を逃した。
だからこそ西山は、「ラスト1年にかける思いは違う」。最上級生になる来年度を前に、意地と危機感を力に変えての優勝。「ずっとタイトルが欲しかった」という有望株が、浮上のきっかけになるか。【新井隆一】