避難を勧めた私に対する彼らの態度は高圧的で不愉快極まりない物であった。
「水高が増えるから中州では止めた方がいい」といった私に若い男が
「大丈夫だよ。俺達は馴れてるから」と冷笑しながら反論。それでも
「私は地元の者だが、川は氾濫するよ。高台に行った方がいい。子供もいるんでしょう?」と冷静に忠告したが、リーダー格が「放っておいて。楽しんでんだよ」と放言したのを皮切りに
「地元の人は臆病」「見張りを置くから平気」
「田舎人は他人のプライバシーを侵すのが趣味ね」などとの声が広がったので、
私は呆れ果てて帰宅したのである。
我が山北町はキャンプ地としては人気が高く大勢の方が来訪するが、
都会人は自然に関する知識が心もとない。「見張りを置くから平気」という暴言がその象徴で、
大雨時の川の急激な増水率を考慮すれば「見張り」はほとんど役にたたない。
しかも地理に詳しい地元の人間を嘲笑する様では、救いようの無いバカである。
そしてあのような結果に。テレビや新聞では「悲劇」のように取り扱っていたが、
私に言わせれば単なる「バカどもの必然的結末」にすぎない。
そもそも彼らがキャンプしていた場所は「キャンプ場」ではない普通の「川原」である。
(本来の「キャンプ場」はもっと高台)即ち彼らは死ぬべくして死んだのだ。
同情の余地など無い。ただ可哀相なのは子供だ(子供には大人のような判断能力が無い)
「あのおじいさんのいうとおりにしようよ」と言った小さな女の子の言葉が忘れられぬ。無念だ。
(神奈川県山北町 匿名老人)