日本政府が国連などと共催する第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が20日、「革新的な課題解決策の共創」をテーマに、横浜市で3日間の日程で開幕した。共同議長を務める石破茂首相は開会式で基調演説に臨み、インドからアフリカまでを一つの経済圏と捉える新構想「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」を提唱。日本企業による対アフリカ投資を官民で連携して拡大すると表明した。
首相は「アフリカ発のソリューション(課題解決)が国際社会を救う時代だ。アフリカと共に歩み、解決策を提供し合う信頼できるパートナーであり続けたい」と強調。今回は「地域統合と域内外の連結性」「民間セクターの持続的な成長」「若者・女性」に焦点を当てる方針を示した。
首相はトランプ米政権の高関税政策などで強まる国際社会の保護主義的な流れを念頭に「アフリカの一層の成長のためには、国を超えた地域統合や連結性の強化が必要だ」と指摘。新経済圏構想を打ち出すとともに、日本とアフリカの経済連携強化に向け、双方の産学官の代表からなる検討委員会を新設すると表明した。アフリカ内陸部からインド洋に至る物流網「ナカラ回廊」の整備加速化にも意欲を示した。
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