イーロン・マスク氏、反ユダヤ的投稿を支持－「真実を語っている」

資産家イーロン・マスク氏は、自身が所有するソーシャルメディア「Ｘ（旧ツイッター）」で、反ユダヤ主義的な投稿に支持を示した。投稿は、白人に対する憎悪を後押ししているとしてユダヤ人コミュニティーのメンバーを攻撃する内容だ。

　　同氏はこの投稿に「あなたは実際の真実を語っている」と返信した。

　　米テスラの最高経営責任者（ＣＥＯ）で純資産約2250億ドル（約34兆円）の世界一の富豪であるマスク氏は、反ユダヤ主義が高まる状況の中、ユダヤ人を攻撃するコンテンツを促進しているとして繰り返し批判されてきた。

　　同氏は昨年、カナダのトルドー首相とアドルフ・ヒトラーを風刺的に比較して物議を醸したツイートを削除した。権利擁護団体である米国ユダヤ人委員会は同氏に謝罪を要求していた。

　　同氏は今年に入り、Ｘの米国での広告収入低迷は有力ユダヤ人団体、名誉毀損（きそん）防止同盟（ＡＤＬ）のせいだと主張。ただ、同氏は当時、自分は「言論の自由には賛成」だが「いかなる」反ユダヤ主義にも反対だとしていた。

　　マスク氏は15日時点でコメント要請に応じていない。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-16/S47561T1UM0W01
Dana Hull
2023年11月16日 14:37 JST

マスク氏の反ユダヤ主義的投稿支持に反発が広がる
https://www.latimes.com/business/story/2023-11-17/backlash-spreads-over-musks-endorsement-of-antisemitic-post

イーロン・マスク氏は、ユダヤ人を攻撃するコンテンツを宣伝しているとして繰り返し批判されており、彼の最新のコメントは、イスラエル・ハマス戦争のさなか、世界中で反ユダヤ主義とイスラム嫌悪が高まっている時期に発表された。
(カースティ・ウィグルスワース/AP通信)

デイナ・ハルとイアン・キング著 | ブルームバーグ
2023 年 11 月 17 日午後 1 時 53 分 (PT) 更新

反ユダヤ主義的な見解を支持するイーロン・マスク氏の投稿からの反動は広がり続けており、広告主が彼のソーシャルメディアプラットフォームX（旧Twitterとして知られていた）から逃げ出す中、ホワイトハウスからの叱責とテスラ投資家からの批判を引き起こしている。

Xで反ユダヤ主義のユーザーと定期的に交流しているマスク氏は、ユダヤ人が白人に対して「弁証法的な憎悪」を抱いているとする投稿に同意した。 「あなたは本当のことを言った」とマスク氏は語った。

ホワイトハウスはマスク氏の対応をユダヤ人コミュニティを危険にさらす「容認できない」行為だと批判した。一方、テスラの株主数人も電気自動車メーカーの最高経営責任者であるマスク氏に対して反対の声を上げており、同氏を停職処分にすべきだとの声も上がっている。

ホワイトハウス報道官のアンドリュー・ベイツ氏は金曜日の声明で、米国人には「同胞の尊厳を攻撃し、コミュニティの安全を侵害する者に対して声を上げる義務がある」と述べた。マスク氏の会社はいくつかの政府契約を結んでいる。

>>2より続き

マスク氏の発言は、木曜日に発表されたメディア・マターズの報告書で、親ナチス・コンテンツの隣にIBM、アップル、オラクル、コムキャストのエクスフィニティ・ブランド、そしてX上で放送されているブラボー・テレビ・ネットワークの広告が掲載されていることをきっかけに、反発をさらに強めている。 IBMは、状況が解決するまでXでの広告を停止すると発表した。欧州委員会とライオンズ・ゲート・エンターテインメントも、Xへの広告を取り下げると発表した。Xの最大の広告主の1つであるAppleも、同プラットフォームでの広告を一時停止するとAxiosが金曜日に報じた。

「Ｘ社は反ユダヤ主義や差別と闘うわれわれの取り組みについても非常に明確だ」とＸ社のリンダ・ヤッカリーノ最高経営責任者（ＣＥＯ）は木曜日の壇上で述べた。 「世界中のどこにもそれが入る場所はない。醜くて間違っている。フルストップ。」

マスク氏はコメントの要請に応じなかった。

世界で最も裕福な人物であるマスク氏の最新のコメントは、イスラエル・ハマス戦争のさなか、世界中で反ユダヤ主義とイスラム嫌悪が台頭している時期に発表された。名誉毀損防止連盟は、ハマスによる最初の10月7日の攻撃後の週に、Xに対する反ユダヤ主義が前週と比較して900％以上増加したことを発見した。

ファイル - イーロン・マスク氏は2023年1月24日、サンフランシスコのフィリップ・バートン連邦ビルと連邦裁判所を出発する。マスク氏とジョー・バイデン大統領の側近らは電気自動車について話し合うためワシントンで会合した。ホワイトハウス報道官のカリーヌ・ジャンピエール氏は、マスク氏は大統領と会わなかったと述べた。 (AP写真/ベンジャミン・ファンジョイ、ファイル)

（終わり）