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電通 首相側へ献金
国の持続化給付金の事業委託を769億円で受注した「一般社団法人『サービスデザイン推進協議会』」から749億円で再委託を受けた広告代理店の電通が、安倍晋三首相が支部長の「自由民主党山口県四選挙区支部」に2011年、13年、14年に各10万円づつ、計30万円を献金していたことが4日、政治資金終始報告書から分かりました。
電通が国会議員の支部に献金するのはあまり例がありません。安倍首相の妻、昭恵氏はかつて電通の社員でした。
3000万円を超す献金
また電通は自民党の政治資金団体「国民政治協会」に毎年献金しています。安倍首相が政権に復帰した12年から18年までの7年間で3600万円を献金しています。
持続化給付金は新型コロナウィルスの感染拡大に伴い苦境に陥った中小企業、個人事業者、フリーランスを支援する事業です。
同協議会は給付金の事業を4月14日に落札。5月1日から申請の受付を開始しました。
窓口に苦情殺到
安倍首相は5月4日の会見で「最も早い方で(5月)8日から入金を開始」「政府の総力をあげて、スピード感をもって支援を届ける」と説明。実際には「開始日に申請したのに届いていない」「相談窓口に電話がつながらない」など苦情が殺到。これまでに申請があった150万件以上のうち約50万件が支払われていない状況です。
同協議会の従業員は、わずか21人。全員が電通など構成企業からの出向組です。電話番号はNTTの番号案内に登録されておらず、現在は「リモートワーク」と称して事務所に連絡が付かない状態です。
3日の衆院経済産業委員会では、どう協議会が法律で義務付けられている官報などへの決算報告を2016年の設立以来、一切していなかったことも判明。実体がない”幽霊団体”の疑いがあると指摘されています。
どう協議会はこれまでに国から委託された7件の事業で電通に再委託しています。そんな電通が国民政治協会に献金する─。税金が協議会から電通を通じて、安倍総裁の自民等に還流していた形です。