東京新聞:通告せず２病院停電 東電、千葉で復旧作業中:社会(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019100502000151.html
台風１５号による千葉県の大規模停電の復旧作業に伴い、県内の少なくとも二つの病院が業者からの事前連絡を受けないまま電力供給を一時的に止められていたことが四日、県や病院への取材で分かった。停電による健康被害は確認されていないが、当時手術中だった患者もいたといい、病院関係者は「医療機関の停電は命に関わるので、事前に知らせてほしかった」としている。
復旧作業に当たった東京電力パワーグリッドは、一病院については事前連絡しなかったことを認めた上で「高圧線が切れて垂れ下がり緊急を要する工事だったため、現場の判断ですぐに作業した」と説明。もう一カ所については「調査中」としている。県は「東電が設置する検証委員会で取り上げるべきだ」と指摘している。
停電したのは香取市の県立佐原病院と多古町の町立国保多古中央病院で、いずれも九月十七日。県によると、台風通過後の停電から復旧していたが、作業により病院を含む地域が再び停電した。
佐原病院は午後二時ごろから約一時間半、電気が止まった。当時約百三十人が入院し、接骨手術中と脊髄への麻酔直前の患者が二人いたが、自家発電に切り替わり大きな影響はなかった。病室などのエアコンが使えず扇風機で対応。復旧見通しも伝えられず、診察受け付けを一時中断した。
多古中央病院は午前十一時四十分ごろから約三時間停電。自家発電で人工呼吸器など生命維持用の最低限の機器は使えたが、コンピューター断層撮影（ＣＴ）や電子カルテなどは使えなかった。内視鏡検査が延期となった患者もいた。
多古中央病院の萩原優事務長は「たまたま大事には至らなかったが、復旧の見通しが立たず病院運営に不安を感じた」と話した。